彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「きっ、嫌いにならないで!」こんな弱い私を見せてしまった。
そんな私に彼が失望するのがイヤだった。
「僕を嫌いにならないで!嫌いにならないで下さい、瑞希お兄ちゃん!!」
「大好きに決まってんだろう?」
「えっ!?」
すがりつ気ながら言えば、瑞希お兄ちゃんは即答してくれた。
彼は私に頬ずりすると、私の耳元でささやいてくれた。
「俺は凛が大好きだ。」
優しい声と笑みでつむがれる言葉。
「俺は凛が大大大好きだ。絶対に嫌いになんかならねぇ。大好きだ。」
「瑞希お兄ちゃん・・・・!」
「凛が大好きだ・・・!」
何度も何度も繰り返し言われる。
そのたびに、どんどん身体から力が抜けていく。
身を任せて大丈夫だと、心から思う。
俺は凛道蓮が大好きだ。絶対に嫌いにならない
「・・・ありがとうございます・・・!!」
感謝を伝え、彼にすがり付けば、優しく抱き直してくれた。
「ありがとうな、凛。正直に教えてくれて、ありがとう。」
「う!ううっ!うぁうぅうう――――――っ!!」
「ヨシヨシ・・・凛は良い子だ・・・」
私の泣き声に、優しい声が混じる。
心地よくて、ずっと聞いていたいぐらいの綺麗な声。
「ううぅ-!うっ、うっ、ひっぐ、うっぐ!」
「好きなだけ泣けばいい。俺が側にいる。大丈夫だから。」
「お、お兄ちゃん!僕の大好きな瑞希お兄ちゃん―――――――――――!!」
(私の愛する真田瑞希様!!)
ベットがゆれたと思ったら、私を自分の膝の上に乗せる瑞希お兄ちゃん。
ベットの上で、身を寄せ合う私達。
コロナが流行ってた頃なら、完全にアウトな三密の状態。
「うぇええん!うえええ!うわぁ――――――!!!」
「よしよし・・・それでいい・・・大丈夫だ・・・!」
赤ちゃんみたいに泣く私を、怒ることもなく、呆れることもなく、あるがまま受け入れてくれる人。
私を安心させるかのように、ずっと優しい声と仕草で、なぐさめ続けてくれた。