彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「・・・凛の前で言うなよアホ。」
「寝てると思ったんだよ・・・。」
「どういうことですか!?」
なぜ、埼玉の警察が瑞希お兄ちゃんに会いに来てるの!?
「地元ならまだしも、他県の警察がお兄ちゃんにご用って、御用じゃないよね!?」
「ぶははは!上手いこと言うな~凛たん♪」
ハラハラする思いで問えば、苦笑いをしていた烈司さんが答えてくれた。
「聞き込みに来ただけだよ。なんも心配することねぇーから。」
「ですが、瑞希お兄ちゃんを指名してるじゃないですか!?」
「そりゃあ~瑞希に聞くのが、一番手っ取り早――――――」
「烈司!」
「おっといけね!しゃべりすぎた。」
低い声で言う瑞希お兄ちゃんに、舌を出しながら笑う烈司さん。
「凛、俺のことは気にしなくていい!もう少し休んでろ。いいな?」
「は、はい。」
有無を言わさぬ態度で言われ、同意の返事をする。
(『はい』とは言ったけど・・・瑞希お兄ちゃん達が何を話すのか気になる。)
「部屋から出るなよ?」
「後でな~凛たん?」
そう言うと、私を残して部屋から出ていく瑞希お兄ちゃんと烈司さん。
「行っちゃった・・・」
1人取り残され、寂しくなる。
同時に、ソワソワしてしまう。
(何を話すのか・・・気になる!)
そう思った時だった。
ピ・ピ・ピ・ピー♪
電話の着信、それもテレビ電話。
「え?」
相手は知ってる人物。
「ヤマト!?」
〈うははは!しもしもー!?〉
「ど、どうしたんですか!?」
〈うははは!今、お店の和室におるんやけど~わしの第六感が、凛に必要とされてるっちゅーお告げを受信したねん!?頼み事とかあったりするー?わし必要ー!?〉
「え!?あ!?必要です!」
〈うははは!なにしたらええ!?〉
「今、お店の方に瑞希お兄ちゃんが行ったのですが、そこで埼玉県警の人と話すみたいなので、なんとかその会話を僕に聞かせて下さい!」
〈オッケー!うははは~!〉
〔★ヤマトはタイミングが良かった★〕