彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
烈司さんのバイクに先導され、瑠華さんが暮らす家にたどり着く。
「ここですか・・・?」
「ここだね~凛たん。」
「へぇーこれが経営者のお家かよ?」
瑠華さんの雇い主が住んでいるという高級マンションにいた。
出入り口に管理人さんがいるセキュリティーのしっかりした物件。
「家賃、おいくらでしょう・・・」
「ああ、ここは買ったらしいぜ。」
「え!?買ったんですか!?」
「数千万ぐらいじゃねぇの?戸建てもいいけど、マンションの方がお手軽だからなぁーほら、行こうぜ。」
そう言いながら、手招きする烈司さんについて行く。
オートロックのドアの前で部屋番号を押す。
「こんばんはー出張占い師のREON(レオン)でーす。」
「出張占い師って・・・服装はREONさんバージョンではなく、烈司さんですが?」
「細かいことは気にするな、凛。REONを名乗ってれば、なんかあった時に言いわけしやすいだろう?」
「なんかあった時ってなんですか!?話をするだけですよね!?怖いんですけど!?」
「よしよし、そん時はお兄ちゃんが守ってやる~よちよち。」
「あ・・・!か、からかわないでください・・・!」
私の頭をナデナデしながら、幼児語で言う瑞希お兄ちゃん。
そんな彼も素敵だと思っていれば、声をかけられた。
「おーい、何ブラコンしてんだ?早く来いよ!」
「す、すみません!ただ今!」
「妬いてんのかよ、烈司く―ん?」
「ばか。ついて来い。」
言われるがまま後を追いかけ、エレベーターに乗る。
上へと上がって行く個室は、最上階で止まった。