彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「ここだ。」
目的の部屋は、エレバーターを降りてすぐの場所だった。
烈司さんがインターホンを鳴らせば、すぐにドアが開く。
ただし、チェーン付きで。
「お待ちしてました!どうぞ、お入りになって下さい。」
そう言って顔をのぞかせたのは、派手な美人。
その言葉通り、金属のチェーンがドアからはずされてドアが開く。
「どうも。ありがとう~♪これ、お土産のマカロン。」
「きゃ~嬉しい~♪ありがとうございますぅ♪」
烈司さんがニコニコしながら手土産を渡せば、相手はすごく嬉しそうに受け取る。
そのまま、先に入る烈司さん。
「俺らもお邪魔しようぜ、凛。」
「あ、はい。失礼します。」
瑞希お兄ちゃんにうながされ、玄関から中に入る。
スリッパをはく烈司さんの後に続いて、室内へと進む。
女性らしい、可愛くてセンスのいい品々が並んでいる。
(しかもどれも、高そうだな~)
そんな感想を持ちながら、リビングに通される。
「そちらに座って下さい。」
勧められるまま、フカフカのソファーに腰かけたところで声をかけられた。
「本日はようこそいらっしゃいました。ガールズバー『パステルカラー』のオーナーをしてるツバキです。」
「はじめまして、凛道蓮です。本日はよろしくお願いします。」
「『ツカサさん』と真田さんがおっしゃる通り、礼儀正しいのね。」
ふふっと笑うお姉さんとあいさつをしてから思う。
(このお姉さん―――――――――めちゃくちゃ美人だわ。)
ハッキリ言って、見た目はリア充系の美人。
一目で、男子にモテそうな女の人だと思った。
同時に考えた。
(ツカサって、誰・・・・?)
真田さんは瑞希お兄ちゃんで間違いないけど、ツカサって?
私の知り合いに、ツカサと言う名前の人はいない。
ツバキと名乗った女性は、視線を烈司さんにうつしながら言った。