彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「あたしの母親は、小学校で教師をしてまして。」
「学校の先生、ですか?」
「ええ。その母が受け持ったクラスに、鳴海瑠華がいたんです。」
意外なつながりに耳をかたむける。
「瑠華の両親は、娘とは不仲でした。そのため、瑠華は度々家出をしていて・・・見かねた母が、家出しちゃうよりはましだからってうちに連れてきたんです。妹がほしかったあたしは嬉しかったです。当時のあたしは、もう1人暮らしをしてたんですけど、そこに瑠華を招待して面倒を見て・・・そこから瑠華は、一人暮らしのあたしの家に転がり込んで、うちから学校に行かくようになったんです。」
「そうでしたか。さしつかえなければ・・・なぜ瑠華さんは、ご両親と不仲に?」
「あの子、見た目が綺麗でしょう?」
「超美人です。」
「そうでしょう!あたしと並んで歩けば、美人姉妹とスカウトを受けるほどでしたわ!元々男に人気というか・・・色気が出るのも早かったんですよね。それが原因で両親と・・・」
「色気ですか・・・?」
確かにセクシーだったけど、キレイを理由に親子仲が悪くなるってどういうこと??
「色気が出てきた瑠華を、親戚が襲ったらしいのですが・・・両親が瑠華の味方をしなかったんですよね。それでこじらちゃったみたいで。」
「はあ!?児童相談所に通報しなかったのですか!?」
「通報したとしても、両親の考え方を変えるように言われるだけで解決しないです。まぁ・・・あたしも超美人なんでわかるんですが、瑠華もその美貌で女達に妬まれましてね。おかげで、いつも同性からは無視されて・・・女友達はいませんでした。」
「え!?・・・・いじめですか?」
「ええ。それを男子や教師がかばえば、ますますいじめが陰湿になって、孤立してしまったです。」
(なるほど・・・地味な私とは違った意味でいじめられたなんて。)
一気に親近感がわいた。