彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「あたしを見習ったせいか、それは極上な女には育っていきました。」
「お、お綺麗ですもんね。」
「うふふ!凛道さんてば、そこは笑うところですよぉ~?可愛いわぁ~♪」
「あ、ありがとうございます。」
「ホント、凛道さんみたいな男がファーストだったらいいんですが・・・・」
「と、言いますと?」
「良い女には男が群がるでしょう?そうなると、男同士でのけん制が始まって、タメの中で一番良い男が彼氏候補になって付き合おうかとなれば、その子の先輩が待ったをかける。先輩の中で一番良い男が譲れと言えば、逆らえない。瑠華がつるんでたのはヤンキーグループでしたので、『先輩が狙ってる女には手を出すな』で、どんどん男のレベルが上がって行って・・・」
「上がって行って?」
「一番の男が初彼氏になったんですよ。」
「一番の男、ですか?」
「はい、悪い意味で一番の男です。・・・よりによって、ゲスの極みだった・・・」
そう語る口調は、よほど嫌な奴だったのか、ツバキさんの顔が醜くゆがんでいた。
「あなたがそこまで言うなら、さぞかし極上のゲスそうですね?」
「ホント、凛道蓮さんの爪のアカをせんじて飲ませたいぐらいでしたよ。」
「僕の爪は差し上げられません。」
「ほほほ!可愛い顔して言いますねぇ~」
「失礼しました。続きをどうぞ。」
「そうでしたね・・・。」
話の続きをリクエストすれば、美人オーナーは応じてくれた。
「あたしもあの頃は、自分の店を持てるかもしれなくて・・・・瑠華をちゃんと見てなかったんですよ。気づいた時には、事後報告で付き合ってました。」
「姉妹みたいに仲が良かったのにですか!?」
「事前報告じゃなくてもいいだろうって、男に言われたらしいんですよ。」
「あ~・・・好きな男の言いなりになっちゃったんですね?」
「そうなんです!瑠華はー・・・ちやほや男子には慣れていましたが、オラオラ系は新鮮だったんでしょうね。」
「僕は優しい人が良いです。」
(瑞希お兄ちゃんみたいなね♪)
そう思いながら好きな人を見れば、横顔がとても真剣で・・・見惚れそうになる。
「そうですよね・・・優しい男なら・・・!」
残念そうにつぶやく声で、視線をツバキさんに戻す。