彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「公衆便所は、誰でも使えるだろう?誰とでも肉体関係を持つって意味だ。要は、悪口ってことだ。」
「ひどいっ!」
「ひどいですよ。」
私の感想に、ツバキさんも悔しそうな顔でうなずく。
「永山のせいで補導されてからの瑠華は、ずっと引きこもっていました。あたしも母も、せめて高校だけは行くべきだって、あの子の両親も交えて話しました。瑠華の両親は娘との縁を切りを望み、その条件として高校の学費を出すことで同意しました。」
「ひどっ!?瑠華さんの親御さん、瑠華さんを捨てたのですか!?」
「世間体が大事でしたからね。」
冷たく笑いながらツバキさんは言う。
「そんな時、どん底の瑠華があたしに会ってほしい人がいるって言って、彼氏を連れてきたんですよ。」
「彼氏?」
「『闘邪駆鬼(とうじゃくき)』の総長・神代龍志です。」
「あの人が!?」
(え!?でも、亜都子ちゃんと付き合ってるはずじゃあ・・・??)
「デマを本気にした男達に、瑠華がレイプされかけたのを龍志が助けてくれたんです。それがきっかけで、2人は付き合うことになったんですよ。」
「瑠華さんと神代さん・・・恋人関係だったのですか?」
「そうです。」
私の問いを、ツバキさんは力強く肯定した。
「チームを立ち上げて、ノリに乗ってましたから。一部は、デマを信じて反対したチームメートもいましたけど・・・あの2人はうまくいっていました。」
「反対したチームメイトって・・・速水亜都司って言いません?」
「え!?速水くんのことも、知ってるんですか?」
「シスコンですよね?」
「あ・・・・ご存じなんですね。はい・・・そいつが反対者の代表にして、神代龍志の幼馴染で親友の副総長です。」
「そうだと思いました。」
初対面の時の印象で間違いないと思ったけど・・・
「あのシスコン、失礼なんですよ!自分の親友にはいい女と付き合ってほしいとかほざきましてね!瑠華は良い女だって言うのに!ムカつきますわ!」
そういうこの人もシスコンじゃないかと思ったけど、言ったら話が中断されそうなので我慢する。
〔★凛は空気を読んだ★〕