彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「でも一番ムカつくのは永山偉人よ!DQNネームの恥ずかしい名前に、お似合いのクズな行動ばっかりしてくれた!だから瑠華はあんなめに――――――――――――!!」
「瑠華さんに、なにがあったのですか?」
「っ・・・!」
それで感情的にしゃべっていたツバキさんの言葉が止まる。
「・・・言いにくいのでしたら、言わないで下さい。」
「いえ・・・聞いて下さい。」
そう言って、自分の分のジュースを一口飲むと、ツバキさんは再び口を開く。
「永山偉人の奴・・・・瑠華が龍志君の恋人になったと聞きつけて、またアプローチしてきたんです!手放して惜しくなったと言うのもあるし、瑠華が幸せになってるのが許せないとかほざいて!」
「わがままですね!?」
「むしろ、悪質でしたわ!どういうわけか、もめたはずのヤクザと仲良しになってて、再びインターネットカジノを始めたんですよ。」
「ヤクザチョロいですね!?」
「ちょろいです!そして――――――――瑠華と龍志の交際が1年目を目前にした時期に、事件が起きたんです。」
「事件、ですか?」
「やっと警察が永山偉人のカジノの摘発に乗り出したんです。」
「やっと仕事しましたね!?」
「そうなんです。前回は、瑠華のスケベな画像で誤魔化したけど、同じ手は食わなかった。それはよかったんだけど・・・令状を持って向かった時にミスが起きて、逮捕できなかったんです。」
「え!?取り逃がしたんですか!?逃走中!?」
「いや、おそらく逮捕できない事態が起きたんだろう。」
「瑞希お兄ちゃん。」
「その通りです。」
瑞希お兄ちゃんの言葉に、ツバキさんは同意する。