彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


私の静止を無視して、鬼気迫る顔で飲み続けるヤマト。


「もったいない・・・!もったいない・・・!なんとかなる・・・!わしはやる・・・うはははは!!」

「やめてぇー!ヤマトぉー!!」


慌ててジュースを取り上げようとしたけど、身長の関係で届かなかった。



「そーれ!!一気っ――――――――――!!!」

グビグビグビ!!

「って!?マジで全部飲んでるのかお前はー!?」



もはや、臭いだけでも気分が悪いのに、もったいない精神のヤマトはルートビアを飲む。



「オウオウオウオ――――――――――――ウ!!」

「ヤマトぉ――――――――!!」



再度雄たけびを上げて、その場にうずくまり、項垂れる関西男子。


「しっかり!大丈夫ですか!?」


ヤマトの前に回り込み、背中をさする。


「これ飲んで!」


まだ残っているお茶を口直しのために差し出したが――――



「うぅううう~~~!!マズい!!もう一杯!!」

「え!?」



パッと上げた顔は、いつも通りの笑顔。



「うははは!なんや~マズいの一周して、美味いわこれ!!」

「えええ!?」

「凛、飲まへんやろう!?ちょーだい♪」

「えっ!?ええええええ!?」



驚く私から、押し付け中だったルートピアを没収するヤマト。



「あ!?ちょっと待っ――――――」

「うははは!い~~~っき、飲ーみー♪」


止める間もなく、そのまま普通にゴクゴク飲み始めた。



「平気なの!?」

「平気やなぁ~うははは!あ~美味い美味い♪」

「お前、味覚が死んだのかっ!!?」

あのサロンパス味を美味しいとか!?



〔★そうとしか思えない変化だった★〕


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