彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「本当にヤマトは僕のことを理解している大親友ですね・・・」
「うははは~!そない褒められたら照れるがな~!お礼は同じ阪神ファンとして、阪神の試合を一緒に見に行ってくれればいいねん!」
「いや僕、阪神ファンになった覚えは―――――てか、野球はよくわからないので、特にひいきにしているチームは~・・・」
「ほな、始業式が終わるまで、わしも一緒にここで時間潰すわ!うははは!グラブルしよー!」
「話題変えるの早いな!?いえ・・・気持ちだけ頂きます、ありがとう。ヤマトは先に帰っていいですよ。」
「うははは!気にせんでええって!わしらマブダチの大親友やんか!?ちゅーか、わし、あんまり1人でおりたくないねん!頼むわ!ちょっとだけやから!」
「ヤマト・・・・」
「うははは!本日2度目の特攻隊長命令で決まりや!ルートピア、もう1本飲むかー!?」
「お茶があるのでいいです。あと、僕の味覚は合わなかったので、今後、ルートピアは不要です。ありがとうございました。」
そう答えたところで、体育館の方から歓声が反響するのが聞こえた。
「うははは!なんや、もう終業式は終了かいな!?」
「そうみたいですね・・・」
ヤマトの言葉で、もらったお茶の残りを一気飲みにした。
「うははは!ええ飲みっぷりや!」
「ありがとう。」
拍手してくれるヤマトに笑顔で答えて、空になったペットボトルをゴミ箱に捨てる。
「じゃあヤマト、僕は教室に帰ります。」
「うははは!了解や、気ぃ~つけてな!凛が変身しに来るのを、録画した甲子園の中継見ながら待っとくわ!アッシーがおった方がええやろう~!?うははは!」
「本当にありがとう・・・送迎をさせてごめんね。」
「ええよええよ!ほな、あとでな!?」
「うん、あとで。」
軽く手を振れば、ブンブンと片手をふり返してくれた。
そんな大親友に感謝しながら、憂鬱な気持ちを奮い立たせて、自分の教室へと向かった。