彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「ほな!なにもあらへんかったら、閉店後に回収に来るからのぉー!?うははは!」
「・・・お手間かけますが、引き取りをお願いします。」
「うははは!まかせてーな!帰りの足は気にせんでええ!その代わり、しっかり瑞希はんと仲良くしーや!?せっかく、ツーショットにするんやからなぁ~!?」
「ありがとうございます。ですが、ヤマトが気を遣ってくれても、僕が必ず瑞希お兄ちゃんと2人っきりになれるという保証はないです。」
「うははは!そこは2人きりになれるって思わんとあかんよ!念じれば現実になるや!!わかったな!?」
「・・・本当にありがとう。」
「ええねん、ええねん!ほななぁ~!?」
お礼を言って単車を降りれば、プッパァ―!と、コールを鳴らす関西男子。
そして、片手をブンブンふりながら、急発進で走り去ってしまった。
にぎやかな友達が見えなくなったところで、彼の言動について考えた。
(瑞希お兄ちゃん、どうして私への口止めをヤマトにしたのだろう・・・?)
なんでも首を突っ込むなって意味?
ヤマト達の問題だから関わるなってこと?
私がトラブルに巻き込まれやすいから?
てか、危険に発展するような問題なの?
(ヤマトもヤマトで、上手く誤魔化すし・・・)
何も考えてないようで考えてるような行動をとるのが五十嵐ヤマトだ。
その親切で何度も私を救ってくれた。
それなのに・・・・
「・・・・ヤマトに嫌味を言ってどうするのよ・・・・」
信頼している親友に八つ当たりをしてしまった自分が嫌だと思う。
同時に、そんな自分の言葉を明るく流してくれるヤマトに感謝する。
「なんだかんだで、良い友達だよね・・・」
「そうだな。五十嵐は変わりもんだが、良い奴だな。」
「えっ!?」
待後ろから聞こえた声にビクッとする。
反射的に振り返れば、まぶしい太陽!!
「瑞希お兄ちゃん!!」
失礼、太陽のように輝かしいお方がいた!!
〔★凛の好きな人が現れた★〕