彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「早く仲間のところに、戻りなさいよ。」

「オメーを放って戻れねぇよ。」

「あたしは大丈夫よ。」

「そうは見えねぇ。オメーには、無理ばっかり・・・俺のせいで苦しめちまった。」

「やめてよ。龍志のせいで苦しかったなんて・・・ないから。」

「瑠華・・・。」

「亜都子ちゃんの前で、自分の女の前で、他の女相手にかっこつけるもんじゃないわよ。」

「大事に付き合ってるんでしょ、龍志?」

「ああ。・・・大事な女だ。」

「やっぱりね。見ててわかったわ。」

「瑠華・・・・そう言うお前は、凛道蓮と付き合って・・・」

「デマよ。交際なんてしてないから!」

「付き合ってないのか?」

「凛道蓮は、ただの坊や。見た目は族の頭に見えないけど、めちゃくちゃ強くて、あたしみたいなのにも普通に接してくれる良い男ではあるけどね?」

「じゃあ、瑠華は今、フリーなのか?」

「何が言いたいの?」

「瑠華、凛道蓮と付き合ってないなら、俺は――――――――!!」


(お、これは!?)

まさか!?




胸が高鳴る。





(神城さんからの復縁の告白!?)


「俺は、亜都子に対して、責任がある。けじめもつける!だから―――――――」

「龍志、変わってないって言ったけど、あっちゃんと一緒の時のあんたは違ってた。」

「え!?」





戸惑う神城さんに、瑠華さんは静かに言った。





「あたしの知らない、良い顔を見せてた。」

「良い顔・・・・・?」

「穏やかな・・・安心してる笑顔。それを見てたらあたし、うらやましくなったわ。龍志の笑顔を一番近くでまた見たい・・・って思ってしまった。」

「瑠華・・・。」

「まだ心に、神城龍志がいるみたいで、あたし―――――――――」


(お、これは!?)


まさか!?


胸が高鳴る。





(瑠華さんからの復縁の告白!?)


「―――――夢を見ちゃったわ。」

「・・・・俺もだ、瑠華。」





見つめあうと、優しく微笑みあう2人。







「龍志、恋人と幸せにね。」

「お前も・・・幸せになれよ、『鳴海』。」


(え?)


「「ありがとう。」」







納得したように、声をそろえてお礼を言いあう瑠華さんと神城さん。





(なんだこれ。)


おいおい、ちょっと!

そこで話、終わっちゃうの!?





(私が思ってたのと違うラブストーリーの結末!?)





〔★2人は復縁しなかった★〕








< 876 / 922 >

この作品をシェア

pagetop