彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
(復縁しないの!?誤解が解けて、愛が復活するんじゃないの!?)
ドライな瑠華さんと神城さんに、動揺した時だった。
ピカッ!
突然眩しい光が瑠華さんを照らす。
バウーンバウ!
1台のバイクが、瑠華さんめがけて突っ込む。
「瑠華!!」
「――――――――危ない!!」
ドン!
「きゃあ!?」
気づいたら瑠華さんを突き飛ばしていた。
バイクの軌道からはそらす。
「瑠華っ!!」
そんな瑠華さんを受け止める神城さん。
良かったと思ったのも、つかの間
「坊や!!」
「凛あぶねぇ!!」
女子2人の声で、バイクの起動が私に変わったことに気付く。
(――――――――――ダメ!よけれない!ひかれる!)
ギュウオオン!!
ガシャン!
「え!?」
私をひこうとした単車が、別の単車に弾き飛ばされた。
「ヘルメットマンさん!?」
立ち去ったはずのヘルメットマンさんが、ウィリーで体当たりしていた。
「うあぁ!?」
私をひこうとした単車の運転手が投げ出される。
それを見て神城さんが叫ぶ。
「美涼!?」
「ちっ!」
悔しそうな顔で、バイクを捨てて逃げ出した『GREAT STAGE』の幹部。
「待ちやがれ!」
「よくも凛さんを!」
「逃がさん・・・!」
「殺す!」
「追うな!!!」
追いかけようとした仲間達を思わず引きとめる。
「リンリン!?」
「・・・俺は平気だ。放っておけ・・・。」
「うはははは!ええんかー!?」
「ああ・・・追わない方がいい気がする。」
捕まえなきゃいけないと思うけど、直感が拒否してる。
(関わっちゃダメな気がする・・・)
そんな思いで、美涼が逃げ去った方角を見つめていた。
ギュウオォオ――――――ン!
「あ。」
その音で思い出す。
(ヘルメットマンさんのエンジン音!!)
「ヘルメットマンさん!!」
私を助けてくれた人のこと。
「ヘルメットマンさん、ありが―――――!」
ギュウオオン!
お礼を言うまもなく、ヘルメットマンさんは急発進。