彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「え!?待ってください!!」
引き止めてみたけど、ヘルメットマンさんは闇の中へと消えていった。
「ヘルメットマンさ――――――――ん!!」
「凛、知り合いか!?」
「ヘルメットマンさんですよ!」
「あ、いつも凛さんを助けるやつですか!?」
「はい!」
「つーか、凛道を助けるタイミング良すぎるだろう・・・?」
「リンリン立てる!?捕まって!」
「ありがとうございます・・・」
手を差し出してくるちーちゃんの手をとって立ち上がる。
「うははは!長ちゃん優しい~ヘルメットマンはんも、ええ人やな~」
「いや、助けてはくれたけど、どこの誰ともわかんないやつだろう?良い人かー?」
「秀の言う通りだぜ!りんどー、ただでさえお人よしだからな~」
「言えてますね。わが君・・・あの者の調査、俺にお任せください。化けの皮をはいでやりますから・・・♪」
「化けの皮って、つなぐ!?ヘルメットマンさんに失礼ですよ!?」
「ヘルメットマンの話はあとだ、凛!バッくれるぞ!」
「カンナさん。」
「近くに、モニカ先輩の事務所がある!そこなら、デカい駐車場もあって単車隠せる!合鍵も預かってるから、朝まで建物の中で過ごせるぞ!」
「さすが、カンナさん!」
「ほら、来い!」
腕を引かれ、そのままカンナさんについていく。
「あー!?なに手を握り合ってんだよ、りんどー!?」
「リンリン!俺との手つなぎ再開して系ー!」
「いやいや、俺とお手てつなぎましょうよ~わが君ー♪」
「やめろテメーら!!凛さんに気安く触るなボケ!」
「つーか、野郎同士でつなごうとするな!キモいんだよ!」
「うはははは!えんなんとかくん、ヤキモチやいとるでぇー」
「ごめーん!俺リンリン以外は、ノータッチ!!ノー眼中!!」
「そんなわけあるかボケ!?幡随院も殺すぞ!?」
「いいから静かに撤退しようぜ・・・」
秀君にうながされ、本来の目的へともどる
仲間が止めている単車のもとへ行き、ヤマトのバイクの後ろに座る。
「瑠華さん!!」
神城さんの横に、たたずむ美女に呼びかける。
「1人だけ残していく形にしてすみません!連絡下さいね!?」
それに瑠華さんが答えたのかは・・・バイクの爆音が上がったためにわからなかった。
瑠華さんの返事がわからないまま、私は仲間達と倉庫から引き上げたのだった。