彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
◇やっぱり・はっきり・きっぱり、と!!ツッパリ凛と恋模様!!◇
『GREAT STAGE』の逮捕は深夜だった。
それは菅原凛には関係ないことだという思いで、逮捕されたその日の朝、いつも通り学校へ行った。
いつもと変わらないはずの学校が、少しだけざわついていた。
「G組の小村さやか、転校になったって!」
「実際は、逮捕されたのを、親が金出して逃がしたんでしょう?」
「ほとぼりさめたら、海外の学校へ行くらしいよ。」
「聞いた~同じグループだった子達、みんな表向きは転校ってことで学校辞めたんだもんね~」
「・・・。」
(マジか・・・・)
クラスメート達の会話に、少しだけ不安になる。
(ハメられたとはいえ、私も『GREAT STAGE』でゲーム登録したし、ゲームしてたことになってたからな・・・。)
「俺ゲームしてたけど、やばいかな・・・!?」
「いや、ルノアちゃんがいるから平気じゃね・・・?」
クラス中の不安げな視線が、つめの手入れをしている女に集まる。
「ルノア・・・」
「なに、アダム?」
「『GREATSTAGE』のことだけどさ・・・・・」
「ああ、みんなで登録だけして、『お試し体験だけした』やつ?それだけじゃ、パクられないわよ。」
「そ、そうか。」
渕上の言葉に、飯塚をはじめとしたクラス全員がホッとする。
「そうだよね~お試しだもんね。」
「登録しただけだしな。」
「捕まらねぇよな!」
(捕まらないだけのコネを渕上が持ってるからね・・・・・)
あの時の、思い出したくない出来事、襲われた時がそうだった。
鳥海は釈放され、今も普通に学校へ来ている。
不正は許さないはずの警察であっても、どこか抜け道があるのだろう。
警察が警察に甘いように・・・・・。