彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「でもよぉ~菅原は逮捕されるんじゃねぇの~!?ゲームで借金作ってるじゃん!?」
お調子者の中山の言葉で、視線が渕上から私にうつる。
私はみんなの視線よりも、中山の言葉に動揺した。
(ゲームで借金作ったことになってる設定、なんでこいつが知ってんの!?)
まさか・・・・・・・私が襲われたことを含め、情報が全部、クラスメート全員に筒抜けなの!?
いじめの内容を、共有してるってこと!?
そう思ったら、叫びたいような暴れたいような気持になる。
(私がレイプされかけたことさえ知ってるとしたら―――――――――――――こいつら全員気持ち悪い!!)
吐きそうになる。
それを押され込めたのは、次に発せられた言葉。
「パクられねぇーよ!!」
「フッ、フッチー!?」
突然大声を出した渕上。
そして、驚く中山をにらみながら、言い放った。
「中山!勝手に壊すタイミング決めんなよ。」
(壊すタイミング・・・・?)
再び、言い知れぬ衝撃が走る。
壊すって・・・・私のこと?
壊すって・・・・え?
(人間として、壊れるまでいじめ続けようっての・・・・!!?)
「フッ、フッチー、ごめんごめん!冗談だよ!場を明るくしようと~」
「盛り下げだよ。二度と言うな。」
「ご、ごめんなさい!」
「あ・・・あははは!中山調子乗りすぎるから~」
「ホ、ホントホント!中山は馬鹿よね~」
必死で謝る中山と、そんなバカを冷かすクラスメート達。
みんなが、渕上ルノアに気遣いながら場な騒ぎをする。
私は・・・・そんなクラスメート達が大嫌いだと再確認できた。
同時に、ヤッパリのこの女は、最高にタチが悪い悪人で、大大大嫌いな人間だと強く思った。