もういっかい恋をする
私が公園についたときにはもう彼の後ろ姿があった。

マフラーを巻いた明るい髪色の後ろ姿。
3年間経っても変わってない
ふわふわな髪。

「洸!」

わたしはその後ろ姿に向かって叫んだ。

ゆっくり彼は私の方を見る。
懐かしい顔が私の方を。

好き

引きずってないなんて嘘だ。
引きずりまくだ。わたし。

「柚。」

彼は優しい声で私の名前を呼ぶ。

「会いたかった。会いたかったの!」

泣き崩れてしまった。
あの時とは違う涙。
この現実が信じられなくて。

「...ごめん」

そんな声で謝らないでよ!

聞きたいことあるのに。
たくさんあるのに!
そんな申し訳なさそうな声されたら
聞けなくなっちゃう。
< 8 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop