フリルふらウラ
夜の公園のブランコで足をパタパタさせてる私は
周りから見たら相当怖いだろう。
おまけに気分が良くなって鼻歌まで歌っている。
いつか王子様が。
白雪姫のようにそう思っているのだろうか。
思っていないような気がする。
もし本当に王子様が私の目の前に現れて
もし本当に私を気に入ってくれたのなら
その王子様の事を嫌いになってしまうだろう。
7人の小人が私を助けてくれようものなら
私は彼らを殺してしまうだろう。
王子様は私で十分だ。
私には夜こうして一人で公園に居るぐらいが丁度いい。
幸せを願っているのか、不幸を嘆いているのか、
何もなくただこうしているだけの自分を自分で恨んでいるのかは分からないが
どうしても涙が出る。
鼻歌は辞めない。
涙を流しながら詰まり詰まり歌い続ける。
鏡に向かって化粧ノリの悪い肌に
せめてもの抵抗をする。
やっと見つけた私に合うサイズの碧いドレスを身に纏い、
履きなれていないハイヒールのパンプスを履く。
そして夜一人で公園に行く。
おかしいおかしい相当におかしいけれど、
こうでもしないと私は私を殺してしまう。
どうも抗えない。
いつになったら終わるんだろうか。
女装なんてしなくても生きれるようにいつなるんだろうか。
男装なんてしなくても生きれるようにいつなるんだろうか。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

卒塔婆

総文字数/142

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

蛾

総文字数/272

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

寝首

総文字数/495

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop