皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
これは学ぶいい機会だと思い、ハリーとローズというカップルと、近くのベンチに座った。



「ふたりの話が聞きたい。出会いは?」

「私が洗濯物を風で飛ばしてしまい、木に引っ掛かったところをはしごに登って取ってくれたのがハリーだったのです」

「それで、どうやったら恋愛に発展するのだ…」

「お互い一目惚れと言いますか…。お恥ずかしい…」



一目惚れなんて、俺は絶対しないだろう。



キレイな女なら腐るほど見ている。



アリスは、その中でもトップクラスの美人ではあるが、一目惚れなんかしなかった。



「殿下も、ステキな正妃様をお選びになったと聞きました」

「…………アリスの噂を聞いたことはあるか?なにが好きだとか、どんな色が好みかなど」

「私どもにはわかりかねます。噂では…とても仲のいいご夫婦だと…」



そう言って顔を赤くするローズ。



俺とアリスが一緒に行動したのは式典くらいなもので。



あの、俺がとことんアリスに惚れている演技のことか…。



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