皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
珍しく父上と言い争いにならない会議。



これも、俺が父上の仕事を経験した結果なのだろう。



父上が俺に言いたかったことや、俺が足りなかった部分が、少し見えた気がしたのだ。



「珍しくおとなしいではないか、リューク」

「えぇ、父上の意見に賛成です。これ以上の案は出ないと」

「ほぉ…、大人だな」

「間違っているならば、間違っていると言いますよ?でも、今回はこれが最善かと思います」

「ならば、このように進めるとするか」



早く終わった会議。



ジェードが呼んだ商人が、山のような宝石をテーブルに並べて待っていた。



「急に来てもらって、すまないな」

「いえいえ、滅相もない。殿下がついに私を呼んでくださったのだ、張り切って準備させていただきましたよ」



父上が贔屓にしているらしく、信用のできる商人。



いろいろな種類の宝石を持ってきたようだな。



だけど、俺はやっぱりこの色がいい。



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