皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
下町で買ったヒナへのプレゼントは、感謝の気持ちだと言って渡すと、喜びすぎて泣きそうになっていたのだ。



宰相様の娘で、いいとこのお嬢様であるはずのなに、この後宮の私の部屋の隣の小さな部屋にいる。



本当にこの仕事が好きなのだと、この笑顔を見ればわかるのだけれど。



「ヒナは私よりお嬢様なのよねぇ…」

「なんです?急に」

「ヒナっていくつ?」

「16歳ですっ‼︎」



小さくて、いつも元気に走り回っていて。



若いのに、私のメイドをできる実力。



本当はお嬢様…。



「ヒナにいいお話はないの?」

「えーっと、ないことはないです…。一応、婚約者はいるのですけど…」

「そうなの⁉︎私のメイドなんかしてていいの⁉︎」

「うーん…。私はまだ結婚しないで働いていたいと思ってまして…。あっちも私の意思を尊重してくれてます」

「どんな方?」

「…………王子」

「へっ⁉︎」

「シュナウト国王陛下の息子の、アレックス王子殿下です…」

「えぇぇぇぇっ⁉︎す、すごっ…」

「第二王子ですし‼︎まだ好きなことしてていいよって言ってくれているので、後4年くらいは粘る予定です‼︎」



そんなそぶり、今まで全くなかった。



アレックス第二王子なら、見たことがある。



確か、まだ14歳くらいじゃなかったかしら…。



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