皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
自己嫌悪。



殿下は何も変わらないと決め付けていた。



手に取るブレスレットが、シンプルでとても私好み。



これは完全に私が悪い。



「殿下に、謝りたい…」

「わかりました。夜にお時間があるか、聞いてみますね」



ヒナが殿下に取り次いでくれた約束は、殿下の部屋でと。



自分から会いたいと言い、更に殿下の部屋。



こんなこと初めてで緊張する。



「…………可愛い」



お風呂上がりに、数ある贈り物の中からネックレスを選んだ。



ひんやりとした金属が、お風呂上がりで火照った体に鞭を入れているような気がする。



謝らないと。



うん、私が悪いの。



さすがに寝間着で城内を歩くことはできず、飾り気のないシンプルなドレスと、長いストールで向かった殿下の部屋。



ヒナがノックをすると、中から出て来たのはジェードさん。



「夜分にすみません」

「いえ、機嫌、最悪ですので、よろしくお願いします」



えっ、やっぱり…?



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