皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
ここでは実験や研究なんかもできる場所があり、多くの魔導師が働いている。



俺が昔部屋に呼んだ女魔導師も、ここで仕事をしているに違いない。



俺の命を守る任務を請け負えば、特別手当てが支給されていたようで。



呼んでもらってありがとうとよく言われたのはそのせいだったのかと、最近知った事実。



「あら、殿下。お久しぶりでございますね」

「リリーか。久しいな」

「まぁ、噂の正妃様?お初にお目にかかります、リリーと申します」



ペコリと頭を下げたアリスは、年齢不詳の魔女に戸惑っているようだ。



リリーはよく、俺の解毒をした魔導師で、薬師の資格も持っているので、何度も助けられている。



俺の安眠をいちばん守っていたのもリリーだ。



最近めっきり呼ばなくなったから、会うのは久しぶり。



「リリーさんは、何をなさってる方なのですか…?」

「最近では惚れ薬の研究をしています」

「ほ、惚れっ⁉︎」

「ふふふっ、モテないボーイ達に高値で売れるのですよ。効果はどうかわかりませんけどね。正妃様もおひとついかがです?」



俺の妃相手に商売をするな。



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