皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
私のお茶をフーフーして冷ます殿下なんか…正直見たくなかった…。



どこまでも子ども扱い。



「このまま元に戻らなかったらどうしましょう…」

「それは困るな。幼女趣味だと思われる」

「婚姻の解消ではなくて⁉︎」

「なぜ解消する必要がある?こんなに可愛いものを自分だけで愛でられるのだぞ」

「殿下って、絶対どこかおかしい…」



呑気だなぁ…。



私は早く元の姿に戻りたいのに…。



でも、戻ったら殿下は私を甘やかしてはくれなくなる。



それはそれで…。



だけど、殿下と馬に乗って敷地内の散策をした時は本当に楽しかった。



心から笑えたし、殿下も意地悪ではなかったもの。



少しずつ、いい関係になれるかもって思ったのに…。



「殿下?抱っこ…」

「しているが?」

「うぅぅぅ…」



ギューっと抱きついた。



こんなこと、元に戻った私はきっとしない。



甘えたいのだ。



私はきっと、誰かに甘えたかったのだと、小さな体になって気づいた。



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