皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
ダメダメっ‼︎



優しくて意地悪な殿下は心臓に悪すぎる‼︎



それでなくとも有り得ないほどキレイな顔をしている殿下に迫られたら、妻であっても緊張するというもの。



ひとまずバスローブに着替え、恐る恐る部屋に戻れば、殿下は外でタバコの煙と戯れていた。



たまに吸うタバコ。



上を向いて煙を吐き出し、堪能するかのように目を閉じるその仕草は、誰が見てもうっとりすると思う。



私、殿下と普通に過ごせるのか不安…。



やたらドキドキしてしまう…。



「アリス」



戻ってきた殿下がソファーに座り、隣に私を呼んだ。



空間を開けて座ると、小さくなった時に癖にでもなったのか、私の頭を撫でる。



「お前の部屋ができたようだ。移動するか?」

「よろしいのですか?殿下はこちらの大きなお風呂を気に入っていたのに」

「同じようなものを、アリスの部屋から行けるように作らせた。問題はない」

「そうなのですか‼︎見てみたいです‼︎」



とうとう、私はこの後宮から出て城内へ移るようだ。



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