皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
母上の提案らしく、『寒い日が続くと、外にも出られなくてなんの楽しみもないじゃない』ということらしい。



隊員時代に、下町からこの城を見た。



たくさんの光りに包まれたこの城が、キラキラしていてものすごく綺麗だった。



寒さに弱く、ほかに思いつかなかったから、民の目を楽しませるくらいのことしかできないのだと、母上は笑っていたけれど。



今では冬の風物詩となり、この星の日に結婚する者が多いと聞く。



街では星祭りと言って、出店も多く出る。



子どもたちは星を服や髪につけ、街にいる城で働く者を探し回る。



見つけたらお菓子がもらえると。



それも母上が考え、今でも自分で選んでいる。



「私はなにかお手伝いしなくていいのですか?」

「んー、何かしたいのか?」

「はい‼︎星祭りは大好きだったので‼︎」

「母上に伝えておく」

「自分がこちら側になるなんて、変な気分」



楽しそうに笑うアリスを見ると、正妃に選んでよかったと思う。



面倒なことなんて、貴族令嬢はやりたくないものだろうに。



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