―――桜田門―――
『ーーー田口結子を・・・私を・・・助けて・・・くださったのに・・・本当に・・・御免ね・・・お父様を・・・助けられなくて・・・』
『ーーーいいえ・・・これが・・・私たちの仕事なので―――。だから、お気になさらずに。』
田口結子は念のために、救急車を呼んだ。それから、一週間程、入院する事になった―――。そこで―――養生させようとした。田口結子は牧瀬里穂の弟、牧瀬雄二と言い、ぼーっと天井を見ていた。自分が裸にされていた事にショックを得てしまい、彼女は雄二と一緒に暮したかった―――。
だけれど、こんな状態になってしまい、『―――貴方・・・私達と・・・話しできないの?』とボロボロと泣いていた。御父様が殺されたショックで、心がぽっかりと穴が空いているようだ。
『―――え・・・何これ?・・・』
一つ―――他にも、文章があった。それが本当の遺言書でもあり、こう綴られていた。彼女は母親に向き直ると、母親は『―――貴方が・・・無事でよかった―――。』と泣いていた。子供の事を考えると、仕事ばかりでは駄目だ。銃を撃つのだって―――日本では、凶悪犯にしか、発砲しない。だから、彼女達に―――一言言った。それは―――ポケットに入っている紙を見ると、其処には、『―――結子・・・母さんと父さんの分まで・・・長生きしてくれ―――。御前には、母親と俺が居なくて、辛い思いをさせたな。だけど、だけど、その分、良い事も沢山出てくる―――。だから、生きて行ってくれ―――』
『―――お・・・お父様・・・お・・・おとうさぁぁぁん・・・』
―――ごめんなさい。
『―――全うに・・・生きろ―――』
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