―――桜田門―――
そのスカートをみた瞬間、彼女はすぅ、と手を伸ばした―――。それから、白いセーターを見付けると、重ね着をした―――。姉がわざわざ送って来た服であり、連にピッタリのスカートでもある―――。それを着てみると、彼女はふわりと笑った―――。化粧も練習するようで、彼女は夜同士起きていた―――。御じい様はクスクス笑っており、彼女はハッと視線を向けた―――。
其処には、ずらずらと倒れこむ、家族の姿があった―――。連はいつも男の子のような服ばかりで、化粧もしないわ、髪もポニーテールだし、もうちょっとおしゃれする事覚えて欲しかったようだ。彼女は慌てて隠れようとした―――。義兄と茉莉もおり、二人の子供が二人いた―――。
二十五歳の時から、また自分を閉じ込めてしまい、御洒落すら、出来なくなってしまったーーー。
だから、彼女はどうでもいいような服を一日中着ていた。普段着でもお洒落に着ればいいのに。
家族は「―――もう・・・御じい様、連に気づかれたじゃない。あの子・・・やっと、女性らしくなったわ・・・」と言った―――。連はクレンジングで化粧を落とすと、母親が手直しをしようとした―――。
「―――大丈夫よ・・・友達の家にいって・・・教わって来るから、今日は非番の日だし―――。御父さん・・・ひとつ言っておくけど、警察だけは辞任しないから―――。派遣会社でも働く事は出来ないし、結婚はしても良いわ・・・後で、友達に化粧の仕方―――教わり、上手くなるつもり―――。だから、心配しないでね―――。」
それから、二十五歳のこの女性は、真面目に家を出やると、友達の所に行った―――。家族はとても呆れてしまい、爆笑していた―――。
―――乙女・・・大作戦・・・成功・・・
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