―――桜田門―――
それから、彼女達は皆、結婚しているし、連にも漸く春が来たんだと、喜んでいた―――。連は見合いをした時から、変わってしまったーーー。眼鏡をかけるようになり、髪の毛も出掛ける以外、無造作であり、まるで悩んでいる人が、部屋を散らかしたような感じだった―――。確かに、連は男の子みたいに振舞っているが、その御見合いがなければ、もっと早くに結婚出来たかもしれない―――。だけど、単純な性格だから、男性の顔をみた瞬間、カチッと心のネジが動いた―――。
先程、写真をみた瞬間、朝から、この友達だけには、言っておこうと思っていた―――。この人なら、自分を幸せにしてくれる―――そう思ってしまったーーー。
お見合いに行く事になり、一週間後、自分は着物を着ないと行けない―――。先ほど、友達から貰った服は、デート用にしろと言われた―――。連は今更、結婚だと言っているが、彼等は応援してくれる―――。連は帰り道、袋を持っている中、笑っていた―――。彼女はこんなに良い友達がおり、幸せだと思う―――。笑ってはいるが、じわっと涙が零れ落ちた―――。
彼女はいつも警察官の仕事をしている為、警察官は命を張らないと、生きて仕事できない―――。ありがとう―――私たちの仕事を手伝ってくれて、ありがとう―――。嬉しい筈だ。
本当に警察としの自分を、受け入れてくれるのだろうか?―――。二十歳のお見合いの時、結婚詐欺にあった―――。しかも、『―――お前なんか・・・好きになるか。』と、振られてしまった。
何故―――私は、誰からも好かれるようになれないのか?―――思わず連は泣き出した。
―――く・・・悔しい・・・悔しいよぉ・・・
彼女はそれを思い出すと、涙を拭った―――。そんな事、誰にでも起こりうる出来事なのだから、気にしていたら損になる―――。だから、暫く男探しは辞める事にした―――。
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