―――桜田門―――
鈴木連は会釈をすると、『―――今日・・・お宅にお邪魔したのは、息子さんがどんな人か調べるだけでなく、本気で私を娶るつもりかを聞こうと思いました―――。』と説明した―――。
『―――それに・・・お見合いする前に、相手の事を知る必要があると思いました―――。それで・・・こちらにお邪魔させて頂きました―――。』
その言葉に、彼等は吃驚したように、顔を見合せた―――。木村優斗の両親は、木村健吾と由利である―――。2人はリビングに座らせると、御茶をさしだそうとした―――。彼女は今、此処へ来たのは、両親と明を確かめる為である―――。結婚詐欺師だったら、こっちはまた辛くなる―――。
自分の伴侶がどんな人か、知る必要になる―――。その為に、わざわざ電車に乗って、来てみた。
だけど、一つ気になる事が―――。リビングに、小さい子供がいた―――。
「―――貴方・・・此の子供は、一体誰です?私は・・・子供がいる御宅とは・・・一緒に生活できません―――。私は二十歳の時、結婚詐欺師に会い、酷く振られてしまいました―――。貴方の子供なんですか?」
はっきりと聞いてきており、彼女は真剣に言った―――。其の言葉に、彼はクスリと笑うと、「―――お前・・・面白い奴だな・・・」と言った―――。
「―――からかわないで下さい・・・こっちは・・・真面目にきいているんですよ?」
明はその言葉に、「―――分かった分かった・・・こいつは、俺の兄貴の子供なんだ―――。兄貴は病気で、義姉はこの家から、出て行ってしまったーーー。だから、こいつは俺が面倒みているだけだ―――。」
「―――・・・っ・・・そうでしたか?確かに、御仏壇に御写真がございます―――。貴方のお兄様は・・・良い人だったのですね・・・色々な家族写真がありますね―――。」
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