―――桜田門―――
今、一人の男性と、小さき頃の自分を重ね合わせると、ボロボロと涙が零れ落ちた―――。
それは二十五歳程の、男性の姿だった―――。彼はニヤリとしており、彼はそのまま逃げた。
「―――黙れ・・・お前に、麻友と呼ばれる筋合いはない。お前は・・・俺を侮辱した―――。其の報いだ―――。お前・・・一人で、相打ち覚悟で乗り込んで来たのか?だが、殺せない―――。お前に・・・人を殺せるのか?」
「―――じゃあ・・・貴方・・・やってみなさい・・・本当に爆弾を着火出来るのか、やってみなさい・・・貴方は・・・私の友達―――殺せる筈がない―――。」
「―――お前・・・俺が警察官で良かったな・・・お前だけ、御じい様に認められているから。俺だって、警察に入ったら、悪い事をしてはいけない事くらい分かる筈だ―――。警察で働けるようになったのに、いつもいつもパワハラで、上司から中々、話を聞いてくれない―――。」
「―――違う・・・そんな事は・・・ありません・・・皆、忍を認めているから、ちゃんと働いてほしいだけです。派遣会社―――良い所じゃないですか?此処を気に入っているんでしょう?爆発すれば、一辺になくなりますよ―――。」
「―――・・・っ・・・」
そうです―――お兄様、連がそういうと、「――—連・・・お前、良い奴を選んだな―――。」
―――そうです・・・貴方・・・旦那が泣いていますよ?――—。
その言葉に、彼はハッと見張った―――。連―――お前―――。彼はずっと見守る事さえ出来なかった。彼女はこんなに真剣に生きていたんだ。派遣会社に来たからには、他の社員を守らなければならない―――。群馬県警はとても良い所で、此処は誰もが優しい人が来る所―――。それを傷つけてしまったーーー。連は兄に近づくと、ふわりと背後から抱きしめた―――。誠は泣いていた。
< 33 / 133 >

この作品をシェア

pagetop