―――桜田門―――
―――誘拐事件は、彼の言う事を信じてはいけない。又は、女性の場合もある―――。女性が誘拐できるのはまだ無理だと思い、だから、男性かも知れない―――。そう思っていた―――。誰もが黒川真紀という女性が怪しく見え、誠と連は情報交換していた―――。黒川真紀は自分が犯人ではない―――その証拠を今、持ってきていた―――。それは―――彼女が車を運転しておらず、面鏡すらない―――。それは本当の事でもあった―――。誘拐するには、必ず車が必要である―――。
だけど、彼女は誘拐された人が、誰だか知っている予感がする―――。目の動きが不自然で、彼女は嘘を吐いていると思ってしまった―――。黒川真紀と尚子は二十五歳程であり、警視庁に黒川天智という父親がいた。
その時―――「―――すみません・・・誘拐された人が分かりました。」と慌てて叫んで来た。彼は警察のお偉いさんだ。彼は一番、警視総監に気に入られている奴で、木村優斗、と言った。
『―――連さん・・・これを見てください・・・病院に駆けつけて来た甲斐がありました―――。この他人が誘拐されたんです・・・』
『―――この他人・・・』
それは高橋瞳という女性であり、この人は二十歳程の女性であり、犯人が乗り捨てていた車が、群馬県の高崎にあった―――。彼女はそれを聞いて、じっとこの写真を見ていた―――。彼女の耳にはピアスがあり、化粧もしており、何処にでもいるような女性だった。だけど、一つ考えがあった―――。口紅が塗っていない。口紅は身だしなみとして、女性は塗らなければならない―――。何処かで、男性と良い事があったんでしょう―――。
彼等はその言葉に、感心してしまった―――。
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