浮気な彼と恋のマジックドライビング
卒業して私は働きながら看護学校に進み、柊は自動車整備の専門学校へ進んだ。

二年で卒業してYAMASE 自動車に就職した柊は

「なつ、一緒に暮らそう。

俺がなつの居場所になってやる」

そういって大好きな笑顔を私にむけた。

柊の口からは一緒に過ごしたこの八年、一度も愛の言葉なんて聞いたことはない。

好きなのは私だけ…。

私と一緒にいてくれるのは彼の優しさでそこには愛情なんてなくて、あるのは私に対する同情だけ…。

それでも、私は柊が好きだったから一緒に暮らす毎日はとんでもなく幸せだった。

自分で切り出したくせに、柊が帰らなくなった家は…寒くて真っ暗で…ものすごく静かな寂しい空間へと変わってしまった。
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