浮気な彼と恋のマジックドライビング
憤っている俺の肩にキャプテンの手が置かれた。

「片瀬…俺も俺たちも高山のことは守ってやりたいと思ってる。

高山とお前との距離が俺たちより近いからお前にまかせようとは思うけど同情だけなら必要以上に深入りするな」

「えっ…?」

キャプテンの言葉に冷静さを少しだけ取り戻した俺は、じっと目の前にいるキャプテンの目を見つめた。

「片瀬が高山に気があるならかまわないが、そうじゃないならマネージャーと部員、ただの同級生の境界線を踏み越えるなよ?

お前モテるだろうから女の子との距離の取り方なんて俺よりずっとわかってるだろ?」

キャプテンの言おうとすることがようやく理解できて、俺の脳裏に初めて握手を交わした時のなつの姿が鮮明に思い出された。

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