浮気な彼と恋のマジックドライビング

テーブルに置かれた封筒をつかむと、香田は俺に差し出した。

「これ、なつさんからの預かり物です。

俺から片瀬さんに渡してほしいって頼まれました｣

手を伸ばして封筒を受けとり、横目で見たなつが顔をしかめて小さく首をふりながら香田に訴えかけるような目を向けていた。

香田は意地悪くにっと笑い

「片瀬さんの秘密を聞いちゃったんですから、なつさんのこともばらしますよ？

俺、お喋りなんで。

片瀬さん、その中には家の鍵と通帳と印鑑が入ってます｣

すぐさま封筒をひっくり返し、開いた通帳の数字が目に飛び込み、俺は大きく目を見開いた。