浮気な彼と恋のマジックドライビング
「私の…せいだよね?

私の過去に起きたことを知って私に近づけなかったんでしょ?

ごめんね、柊」

彼女が泣く姿を目にするのははじめてだった。

いつも俺に笑顔を向けていた彼女が、いままで我慢していた想いを溢れ出させてぶつけている…カッコばかりつけている自分が恥ずかしくなる。

俺のせいで泣かせている…。

「夏生…ごめん。 
泣かせてごめん。 苦しめてごめん。早く気持ちを伝えなくてごめん」

そっと伸ばした指先で彼女の涙を拭う。
それでも止まらない彼女の頭を自分の胸に押し付けて、そっと震える肩を抱き締めた。

「ごめん、触れられるのには抵抗ある?

でも…少しずつ俺に馴れて。

夏生が好きなんだ。

俺の居場所が夏生なんだ。

ずっと一緒にいたい。俺の側にいてほしい。

好きだよ夏生…」


「私も…私も柊が好き。柊…」

胸から顔を離し、まだ濡れている瞳で俺を見上げたなつはそっとその瞳を静かにふせた。

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