FADE〜最後の記憶
パパーッ!!!
「こら!何ボーっとしとんじゃ!
死にたいんか!」
罵声とともにトラックが私の前を
過ぎて行った。
いつの間にか私は、街の中を
彷徨うように歩いていた。
しかも膝は怪我していたし、
靴も脱ぎ裸足で歩いていた。
博士の言葉だけが何度も頭の中を
駆け巡っていた。
「おそらく…あなたの記憶は…よくて
後三年…早ければ一年…否…半年で
あなたの記憶はもとには戻らない
ようになる。
たまにじゃが…
ホンにたまになんじゃが…
急激的なショックによって…
瞬間的に回復する場合もあるが…
期待はできんからの。」