FADE〜最後の記憶
その日の大阪の街は雨だった。
しとしとと無意味に雨は降り続いていた。
その頃までは、私は普通だった。
彼から逃げてから、私は
大阪のミナミのキャバクラで働きながら
無意味に生きていた。
彼を別れたことは、後悔していなかった。
でも別れてからも、私は彼のことを
忘れることはできなかった。
それほど好きだったのに…
なぜ彼から逃げたのかは今では分からない。
その頃までは覚えていたのに…。