先輩の彼女
悪魔が、基い間野さんが、私の頭をお金の入った封筒で、ペシッと叩いた。

「交通費って、そんな遠い場所に行くんですか?」

天使の潤平君が、私を心配してくれる。

「もしよかったら、僕、バイクで送りますよ。」

潤平君は、座席からヘルメットを取り出した。

「申し訳ないが、これは斎藤の仕事なんだ。手を出さないでくれるか?」

また悪魔のドス声が、聞こえてくる。

「でも……」

「でもじゃない。大体君、授業は?今日は月曜日だろ。」

「僕は、今日の授業は、午後からです。別に休んでも構わないし……」

「その親切心は結構。だが、学生の本分は、勉強だ。授業は休むなよ。」

「今時、そんな事言う人なんて……」

「いいから、行け!」

間野さんに言われ、潤平君はバイクに乗って行ってしまった。


なんでこの人は、私の癒しの時間を、ことごとく邪魔してくるかな。

「先輩、交通費有り難うございました。今から、行って来ます。」
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