先輩の彼女
「うーん。先輩は、絹花の事。信じてるんじゃない?」

「急に答えたね。」

あまりの突然さに、絹花はきゅうりを食べる事を、忘れている。

「信じてるね。」

「ほら、結婚に必要なのは、信頼じゃない?」

私は絹花の為を思って、言ったはずなのに。

「結婚に必要なのは、信頼の前に、誰にも渡したくないって言う、激しい愛情じゃない?」


私は、息が止まった気がした。

確かに、そうかもしれない。


「他の男に、この女を渡したくない。社会的にも、俺のモノだって、世間に知らしめたいって、そう言う事なんじゃないの?」

さすが絹花。

世間を相手に仕事してる人は、言う事も違う。


「それなのに、裕一ってば。私が他の男と飲みに行っても、何も言わないって、どういう神経してるの?」

私は自分の耳を疑った。

「えっ?絹花……他の男の人と、飲みに言ってるの?」

「何驚いてるの?誘われたら、当たり前じゃん。」
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