先輩の彼女
それは白石さんに取って、重要な事らしい。

「それにしても、間野先輩。ここ最近、ツイてないな。」

白石さんの話は、いちいち心に引っ掛かる。

しかも、間野さんネタだし。

「先輩、何かあったんですか?」

「あっ、聞いてない?」

白石さんは、私と間野さんが、結構仲がいいと勘違いしている。

「最近彼女さんと、うまくいってないらしいよ?」

「何でそんな事、分かるんですか?」

「会う度どころか、電話でもケンカだって、言ってたからね。」


間野さんと、絹花が?

そりゃあ、間野さんは『俺の悪口言ってなかったか?』とは、言ってたけれど。

それはあくまで、間野さんの愚痴って言うか、絹花の愚痴も聞いてやってくれ的な事だと思ってた。

「私生活がうまくいってないと、仕事もスムーズにいかないよね。」

白石さんは、私に同意を求めてきた。

「そう……ですね。」


振られたって言うのに、また間野さんを心配している私がいた。
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