先輩の彼女
「何を誤解しているのか知らないけれど、先輩から話を聞いて、私からも話を聞いて、これで分かったでしょう?」

それでも、絹花の怒りは収まらないようだ。

「裕一に……別れてくれって、言われたわ。」

「えっ!!」


ど、どうして間野さん、そんな事言ったの!?


「まさか、それで別れるって言ったの?」

「……言ったわよ。」

「どうして?結婚の話まで、出てたんでしょう?」

すると絹花は、右手で私の頬を、思いっきり叩いてきた。

「痛い!何するのよ!」

「自分の胸に、よく聞いてみれば!?」

絹花は、泣きながら私を睨んでいた。

「私の知らない裏で、そうやって二人でこそこそ、通じてたんでしょう?」

「そんな事、してないよ。」

「久実のウソつき!」

何を言っても、絹花は信じてくれない。


仕方ない。

もしかしたら間野さんは、私が告白した事を、絹花に言ったのかもしれない。
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