先輩の彼女
悲しい顔を見せまいと、ビールをグビグビ飲み出す。

「あっ、私お手洗い行ってくる。」

絹花が席を立って、間野さんと二人きりになった。

「大丈夫か?斎藤。そんなに飲んで。」

「大丈夫です。私、結構お酒強いんで。」

飲んだ後に、大きくため息をついた。


「先輩。絹花と結婚するんですか?」

単刀直入に聞いた。

「なんだ、急に。」

「絹花の親友なんで。そこだけは、確認させて下さい。」

間野さんは、頬杖つきながら、絹花が食べ残したきゅうりを、口の中に放り投げた。

「そうだな。付き合って3年にもなるし。そろそろ考えないとな。」

「じゃあ、絹花と本気で付き合ってるんですね。」

「あーあ。女って、面倒な生き物だな。結婚すれば本気。結婚しなきゃ遊び。そんな訳ないだろ。」

「先輩!」

私はテーブルを、軽く叩いた。

「はいはい。本気ですよ。このままいけば、絹花と結婚する事になりますよ。」
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