先輩の彼女
第3章 年下の男の子
次の日の朝。

鏡の中の自分は、最悪な顔をしていた。

目は腫れ、頬は荒れ、顎は浮腫んで二重顎になりつつある。

「休みたい……」

大学生の時なら、迷いなく休んでいた。

だが、今の私は社会人。

そんな私的な理由で、休む訳にはいかない。

仕方なく、化粧で誤魔化して、出社した。


「ひどい顔ですね。」

挨拶無しに、そんな事を言ったのは、向かいの席の白石さんだった。

「おはようございます。あまり見ないで下さい。」

「分かりました。なるべく見ないようにします。」

仕事上、私に話しかけない訳にもいかないし、向かいの席だから、嫌でも目に入る。

迷惑なのは、白石さんの方だ。


「おはよう。」

肝心の間野さんが、出社。

「おはようございます。」

なるべく本人を見ないようにして、挨拶。

「昨日は無事、帰れたか?」

そんな優しい言葉に、ふいに間野さんを見てしまう。

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