涙とキスと隣の泣き虫



「はい……ッて、なんで名前」

「有名だからね」

「……」

「花田さんて面倒見いいんだね?」

「そうですか?」

「汗かいてるよ」

先輩はそう言ってポケットからハンカチを取り出した。


「え?」

「面白い子だね」

その時、隣に座り込んだままのリキがいる事も忘れて、先輩が見せた爽やかな笑顔に、胸を貫かれたのを覚えている。


それから、廊下ですれ違ったり、リキの世話をしている時に何度か声をかけられて。
なんと、1ヶ月前に告白をされ付き合う事になったのだ。


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