涙とキスと隣の泣き虫
「じゃぁ、泣かない!」
「あっそう。助かる!」
そう言って、リキのオデコを右の人差し指でピンと突っついた。
やっぱり今まで我慢してたのか、簡単に涙が零れ落ちる。
「……ッ」
「ほらすぐ泣いたー!」
「ちがっ……これは、」
「リキの泣き虫!」
「……ッく」
「早く泣きやめば?」
「…………じゃぁ、キスしてよ」
「仕方無いなぁ」
静かな廊下の窓から身体を屈ませて、リキとの距離を縮めれば、私自身の熱が一気に上昇していく。
想像以上に柔らかい唇と、水気を増した瞳に吸い込まれそうなった。