涙とキスと隣の泣き虫



「男の癖に泣き虫」

「だ、だって。ハナちゃんが……」

「何か文句あるの?」

「……な、慰めてよ」

そう言って、リキが口を尖らせるからもう一度 軽いキス落とす。



「リキの家で慰めてあげる」

「う、うん?」

ひっく、としゃっくりをして、戸惑うように眉を下げて返事をするリキが、本当はどう思っているのか分からない。



子供の頃から見てきて、からかって、いじめて、時には慰めてきた。


「ハナちゃんは、僕の事どう思ってるの?」

「……さぁね」

なんて両手を広げれば、リキは不満そうに口をギュッと閉じる。

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