涙とキスと隣の泣き虫
おまけ
「本当にハナちゃんが好きだよ?」
「だーかーら、それは刷り込みだっての!」
日が落ちて、空がオレンジ色に染まる帰り道――。
「違うってばー!」
「はいはい」
なんてテキトーに返事をする私。
「ハナちゃん、信じてないでしょ……」
それと"ぷぅ"と子供の様に頬を膨らませるリキ。
「じゃぁ、私なんかのどこが好きなの?」
「えー……と、」
「ほら言えないんでしょ?」
「えーとえーとえーと、無理して強がってるところとか」
「……強がってないし」
「泣きたい時に頑張って我慢したり」
「我慢なんてしてないし!」
「も、文句言いながらも一緒にいてくれるところとか?」
「……」
「あと、やっぱりハナちゃんが照れた……」
「いたっ!何するんだよー」
「うるさい!」
リキの私のどこを好きか説明をする言葉に、自分自身の熱が上昇したのも分かった。
けど、つねったリキの頬も林檎の様に真っ赤に染まっていた。