涙とキスと隣の泣き虫
「勉強どう?はかどってる?」
「はい、順調です」
隣にいるリキが、馬鹿みたいに真っ赤な顔をしているからかな。
「本当にー?4教科とか怪しいなぁ」
「余裕ですよ」
やけに先輩が、落ち着いた大人の男の人に見える。
「1年生の勉強なら見てあげるのに」
「いえ、滅相もありません!先輩も勉強頑張って下さい!」
追試だって事も恥ずかしいのに、あのテストの点数は絶対に見せられないんです。
「そっか、テストいつだっけ?」
「明後日です」
「頑張ってね!」
そう言って穏やかに笑う先輩を見ていれば、私もフニャリと笑みが溢れた。