涙とキスと隣の泣き虫
「花田。お前夏休み補習決定」
「嘘ぉ……?」
職員室に呼ばれて言われた担任の第一声に、私は愕然とするしかない。
結局は、リキにあんなに時間をかけて教えて貰った数学を落としてしまったらしい。
英語や社会の他の教科は合格したらしいのだけど。
「私の夏休みが!」
教室の机にふさぎ込む私の姿を見ては、
「マジで?アイ馬鹿じゃん」
「うるさいなぁ!」
マリには笑いながら馬鹿にされた。
「ハナちゃん、あんなに教えたのに……」
「……」
何だかんだで動揺しながらも、追試の直前まで勉強を教えてくれたリキにまで苦笑いをされる事となる。